「DTMマガジン」休刊


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すでに入手困難になりはじめている、ラスト「DTMマガジン」の表紙です。本屋さんで見つけたら、ぜひ買ってください(笑)。

はじまりがあれば終わりがあるように、出会いがあればまた、別れもあるのです。

ということで、僕の高校時代のバイブルであり、社会人としての出発点でもある「DTMマガジン」が、2016年12月号(11月8日現在の“今月号”)をもって、ついに休刊となりました。1994年6月以来、23年間もの長きに渡って、パソコン通信、ホームページ・ブーム、音源対決、カラオケ、着メロ、フリーVST、ボカロ、ニコ動など、さまざまな面から音楽制作ファンを増やし続けてきましたが、時代の流れには抗えず、というところでしょうか……。

さて、ここから個人的な話になりますよ。

音楽漬けの毎日で大学を留年するほど、音楽(とパソコン)しか取り柄のない僕でしたが、幸運にも在学中から雑誌のライター仕事をはじめられ、その流れで、「DTMマガジン」の編集部に拾っていただきました。

いつも優しくフォローし続けてくださった大学の先輩でもあるM田さん、僕を拾うキッカケを作ってくださったY田さん、いまやアジアを股にかけて大活躍されているやっぱり大学の先輩でもあるM野さん、あの頃からオシャレだったYさん、早稲田を出てるのになんだかスットコドッコイなN澤さんなどなど、お世話になった方々を挙げればキリがないのですが、創刊からエディトリアル・デザイナーとして屋台骨を支え続けてこられた現編集長の上林(将司)さんには、とりわけお世話になりました。

目線の意識もなければ、コピーのキャッチーさもないヘロヘロなラフ・レイアウトを持って行っては、優柔不断でフニャフニャしている僕を、いつも本気で叱ってくださいました。

後にも先にも(今のところ)、仕事上で心から叱られたのは、上林さんだけです。ありがとうございました。

 

さあ、話を戻しまして、ラストDTMマガジンの内容をば。

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30代半ば以上のパソコン好きならば、いつかどこかでお目にかかったことがあるはずの、懐かしの銘機たちが並びます。

巻頭は、“DTM音源ヒストリー”。Roland「ミュージくん」からはじまった、1台の電子楽器(=音源)でアンサンブルを創り上げる、という“DTM”文化の歴史を銘機とともに振り返ります。

Rolandは、もともとプロ・ミュージシャンがレコーディング・スタジオを使って大規模に行なっていた“音楽制作という営み”を、パソコンとソフトと音源だけで完結する“個人の趣味”に落とし込むことで、主戦場を見事に転換し、すでに世界的なマンモス企業として君臨していたYAMAHAと五分の闘いに持ち込むことに成功しました。そして、両社が苛烈なスペック合戦を繰り広げたことで、市場が急拡大/活性化し、今日の柔軟で多彩な音楽制作環境の礎が築かれたのです。

うーむ、歴代の音源たちを眺めていると、目頭が熱くなりますなぁ。

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VR時代のサウンド・メイキングは、処理負荷だけでなく、“酔わせにくさ”も考慮すべきですし、“距離による回転の強弱”も考慮すべきです。悩ましい課題が山積みだと、なんだかワクワクしますね。ところでどなたか僕に、ゲームとVRのサウンドについて、1冊本を書かせてください(笑)!

そのほか、“JPOPの作り方”や“VOCALOID NEWS”そして“楽器が弾けなくてもできる作曲入門”など、DTMマガジンらしい、ツボを押さえた連載記事もわかりやすくまとまっております。“VR時代の音作りを考える”ってのは、もう少し突っ込んで、実務的なことにも触れてほしかったかな。今の僕なら、1冊の本になるくらい書ける、と思います(笑)。

個人的には、“ダンスミュージックのスタンダード音源を使いこなせ!”が、一番グッと来ました。自分以外の人が作った音色パラメータを覗く、っていうのは、秘伝のタレのレシピを教えてもらっているようで、とても興奮します! また、デジタルの音色データならば0.1秒で読み込めますが、誌面とにらめっこしながらノブやスライダーをひとつずついじっていくのも、一周回って乙なものです。

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DTM音源のひとつの頂点、Roland「SC-88Pro」です。普通に打ち込みしたり、インサーション・エフェクトの16進数と格闘したり、バンドと同期演奏させたり、それはもう使い倒しました。

気持ちが高ぶってきたので、Roland「SC-88Pro」をクローゼットの奥から出してきて、鳴らしてみようかしら!

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