『The Monuments Men』感想


ジョージ・クルーニー監督/脚本/製作/出演作品の『The Monuments Men(邦題:ミケランジェロ・プロジェクト)』を観ました。

第二次世界大戦のさなか、混乱と無秩序、ときには故意によって失われてしまう美術品や文化財を救うために、ルーズベルト大統領の勅命で編成された米英仏合同タスク・フォース、“モニュメンツ・メン”の奮闘を描いています。

いろいろなところで書かれていますが、コメディにもシリアスにも振り切れていない中途半端な脚本、繰り返される唐突で不自然なお涙頂戴シーン、事実ベースというには脚色され過ぎたプロットなどなど、正直、世間の評価はやや微妙です(苦笑)。しかしながら、豪華でカッコいい出演者のイケてる演技(特に、人の命と文化の価値とを何度も天秤にかけ自問する真摯で懸命な姿)と、丁寧に彩られたミリタリー成分とが満載な120分だったので、僕は十分に楽しめました。

モニュメンツ・メンのオジサマたちは、(軍服を着ていますが)美術専門家集団です。いわば、中島誠之助先生率いる鑑定団、みたいなものです。そんなオジサマたちが、鹵獲した「キューベル・ワーゲンTyp 82」を乗り回す姿にはとても感動しますぞ(笑)。熱い!

この映画には、VFXを多用した地獄絵図のような戦場シーンは、一切登場しません。むしろ、60~70’sの戦争映画に似た、古風で牧歌的な雰囲気すら漂っています。ただ、見た目のエグさがない代わりに、刹那的なイデオロギーのため永い年月をかけて積み上げた文化(meme)さえいともたやすく破壊してしまう狂気が、枢軸/連合の分け隔てなく描かれており、人間の、DNAを紡ぎ次の世代に希望を遺し続けねばならない生物としての在り方を問いただされるような、鈍くて重い痛みを伴うエグさがあります。

Leave a comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です