MENGのKing Tigerを検証してみる 2


MENGが満を持してリリースしたケーニッヒス・ティーガーのキット、MENG TS-031「Sd.Kfz.182 King Tiger (Henschel Turret)」ですが、発売前のマーケティングで期待値を高めすぎたせいか、現在、思いがけないほど冷ややかな反応をされています(少なからず影響があったのでしょう、インテリアのオプショナル・キット、MENG SPS-037「Sd.Kfz.182 King Tiger (Henschel Turret) Interior Set」と、トーションバー&可動履帯のオプショナル・キット、MENG SPS-038「Sd.Kfz.182 King Tiger Workable Tracks」の発売は延期されました)。

他意なく単純に悲しいので、具体的にひとつずつ調べてみることにしました。

 

さて、海外のフォーラムでは、

  • 車軸が水平にならず逆ハの字に開く
  • 車体前面の機銃マウントの径が大きい
  • 転輪の厚みが薄い

という点が、よく取り沙汰されています。上から順番に検証しましょう。

車軸が逆ハの字になる

これはもう、そのとおりです。このキットの弱点、と言ってしまえるかもしれません。

スイング・アームを差し込むためのダボ穴を受け持つ目隠し板の精度がイマイチで、結果的に、車軸の中心がズレてしまっているのです。さらに悪いことには、スイング・アームのパーツがアンダーゲート気味に成型されているため、取り切れなかったゲートと車体パーツとが干渉しがちです。

対処法は、当たり前ですが、各パーツの処理を丹念に行なうこと、になります。しっかり処理を行なえば、最終的に転輪の軸の“遊び”を利用して、ある程度、水平にできます(より厳密に水平を求める場合はさらに、転輪に仕込むべきポリキャップを外してしまうと良い、と思います)。上記の写真くらいには追い込めるはずです。

機銃マウントの径が大きい

この意見に対して、キットの監修を行なったDavid Parker氏ご自身が、下敷きにしている個体(?)の写真を掲載なさっていたので、それを引用しました(左側)。右側は、設計図です。

改めてキットのパーツを見てみると、溶接痕が実物よりひと回り大きくディフォルメされているようで、そのことが機銃マウント全体を大きく見せている要因だ、と思われます。機銃マウントそのもののサイズは、間違っていませんでした。

そもそも、ケーニッヒス・ティーガーの量産がはじまったのは、ひどく混乱していた大戦末期ですから、生産段階で鋳型がころころ変わっていた可能性も捨て切れません! とある個体の細部が、己の中のイメージとちょこちょこ食い違う、というのは、仕方のないところだと思います。

転輪の厚みが薄い

設計図と比べてみます。設計図での転輪の厚みは、接地面以外も含み90mm。これを1/35スケールに直すと2.57mm。一方、キットの転輪の厚みは、接地面以外も含み約2.1mm。

接地面のみの厚みを比べることこそ叶いませんでしたが、転輪は全体的にやや薄っぺらい、という結論になりました。

どうしても取り替えたい場合は、Dragon 9144「Sd.Kfz.182 King Tiger (Henschel Turret)」からの移植が、もっとも現実的だと思われます。

まとめ

気になるところがないわけではないけれども、工夫ができる余地もないわけではない、そういったところでしょうか。

最後に僕が強調しておかなければいけないのは、テストで一部分を組んだだけでもグッとくるところがたくさんあった、ということです!


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2 thoughts on “MENGのKing Tigerを検証してみる

  • 師井 正明  みつい まさあき

    このレポート 本当に参考になります!! 転輪の厚み ドラゴン タミヤ と並べると かなり薄いです。重戦車らしからぬ感じです。
    タミヤのヤークトタイガーのアームと転輪で今仮組してますが インテリアセットが発売されないと なんともわかりません。転輪どうしの間隔を保ちたいなら
    mengのサスアームをそのまま使い  タミヤの転輪とキャップを工作するのか やってみないとわかりません。可動はあきらめざる得ないです。
    mengも内部構造に費やす分 外部に凝ってほしかったと思います。(1/16と住み分けがいいです)私は楽しくいろいろやっています。キューポラを切り落として モリのキューポを載せてみましたが、ピッタリでした。各人がいろんな好みで 楽しめるキットです。是非とも転輪関係の続編記事をお願いいたします。

    • TAK-H Post author

      コメント、ありがとうございます!

      悩んでアレコレやるのも楽しいですよね!
      僕は、アームはキットのまま、転輪だけDragon 9144「Sd.Kfz.182 King Tiger (Henschel Turret)」からの移植を試しているところです。
      ちょっと良い方法を思いついてテストしてみたところ、無難にうまくいったので、後ほど記事を書いてみようと思います。