『Pokémon GO』より、IPビジネスへの方針転換に注目


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たくさんの想い出が詰まったファミコン。小学生だった当時、まさかゲームを作る人になるとは、思ってもいませんでした。

任天堂の新ゲーム機「NX」は、テレビに接続可能な携帯機か!? という噂が拡がっているようですね(業界内にいるとはいえ、まだまだ「NX」は謎だらけです)。『Pokémon GO』の熱狂や『Miitomo』の配信などもあり、任天堂のスマートフォン業界への参入が大注目されている昨今です。

しかし僕は、その変化よりも、もっと大局的な変化として、“IP(知的財産)ビジネス”を積極的に進めていることに着目しています(IPビジネスの推進に関しては、2014年に行なわれた経営方針説明会/第3四半期決算説明会において、故岩田社長(当時)が、「キャラクターIPのライセンスビジネス」として明確に打ち出しています)。

IPビジネスとは

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世界一有名なネズミ“ミッキーマウス”の生みの親、ウォルト・ディズニーです。ちなみに、世界一有名なハリネズミは、“ソニック・ザ・ヘッジホッグ”です。

IPビジネスといって、まず想起されるのがディズニーです。

自社リスクで原作(主に映画)を製作し、劇中に登場するキャラクターやストーリーを知的財産化します。そして、それを二次利用してひと儲けしたい他社に貸し出し、他社のリスクで運用/商品化させ、ロイヤリティー(知的財産権の利用に対する対価)を無リスクでガッチリと受け取ります。

言葉にすると、邪悪な金儲けシステムのように感じられますが(笑)、自社で取る最初のリスク(=創作)が生む価値が、そうそう高まらないのが現実でして、それは、死屍累々の深夜アニメやソーシャルゲームを思い浮かべれば、容易に実感できるかと思います。

ゲーム原作のIP

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ミラ・ジョヴォヴィッチが演じる実写映画版の主人公、アリス・アバーナシー。

前述のようなIPビジネスを、“ゲーム原作”でやろうとしている/やっているのが、今現在の任天堂です。

ゲーム原作のIPビジネスで、世界的な大成功をおさめた例といえば、『RESIDENT EVIL(バイオハザード)』でしょう。ハリウッド製作の実写映画は、2017年に6作目(!)の公開が予定されているほど根強い人気があり、IPホルダーのカプコンに、安定的な収益をもたらしているのではなかろうか、と思います(8月10日追記/タイトルは『バイオハザード:ザ・ファイナル』。日本公開は2016年12月23日、全米公開は2017年1月27日)。

まとめ

大きなビジネスの王道といえば、“インフラの胴元”になって、“プラットフォーム”を作り、“他社にサービス/コンテンツを作らせ(ロイヤリティを受け取り)”“ひとりでも多くの個人に、そのサービス/コンテンツを買ってもらう(そして、さらにロイヤリティを受け取る)”ことであり、それはまさに=“ファミコン経済圏”だったわけですが、GoogleとAppleが生活とエンターテイメントの大部分を丸呑みするほどの巨大な胴元となって久しい現代にあって、ゲーム専用機という小さくなってしまった器の上でお山の大将を気取っている場合ではない、新しいビジネスを創出せねば! という考えに基づいた大胆な発想の切り替えと実行力が、さすが任天堂だな、と感じます。

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