『Mein bester Feind』感想


オーストリアの映画『Mein bester Feind(邦題:ミケランジェロの暗号)』を鑑賞しました。

3ヶ月ほど前に『The Monuments Men(邦題:ミケランジェロ・プロジェクト)』を観ていますが、本作品との関係は、まったくございません(笑)。

『The Monuments Men』感想

舞台は、第二次世界大戦期のオーストリア。

画商を営む裕福なユダヤ人のカウフマンと、その一家の使用人の息子スメカルが、“運命”によって嫉妬と憎しみと友情とをグチャグチャにかき混ぜられながら織りなす、サスペンス仕立ての喜劇です。

 

ストーリーの大筋は、親衛隊に入隊したスメカルが、カウフマン一家が隠し持っているミケランジェロ作の「モーゼの素描」を接収しようとする、だけ、ではあるのですが、そこはやっぱり映画ですから、なかなかうまくいかないんですな、ハイ。

設定はさておき、小道具含めてしっかりとした雰囲気作りがなされていますので、スッとお話に入っていけます。

で、2人はスッタモンダしたあげく、お互いの立場/在り方/生き様を思い知らされる事件に遭遇します。ここがブッ飛ぶくらい可笑しい場面なのですが、笑ってばかりもいられません。

そのときの心情こそ、2度の大きな争いを経てなお生かされている僕たちが、2010年代を、そしてその先の未来を美しい時代とするために、常に背負い続けなくてはいけない大きな十字架なのではないか、と感じられるからです。

 

ちなみに劇中で、件の「モーゼの素描」に対し、「なぜモーゼに角が生えているんだ?」という話をしているところがあるのですが、もともとヘブライ語で書かれた(旧約)聖書をヒエロニムスがラテン語に翻訳した際に誤訳してしまったから、という説が有力です(その誤訳をカトリックが公式的な聖書と定めたため、芸術家たちは従わねばならなかったわけです)。本当は、「モーセの顔に角が生えていた」ではなく、「モーセの顔は光りに包まれていた」とすべきなのだそうです(諸説あります)。

Leave a comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です