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伝説の正統後継者「5211 2Channel Mic Pre」

作った人の顔が見えるプロダクトというのは、やはりグッと来ますね。それが伝説の機材の末裔ならば、なおさらです。今回はそういうお話!

それは突然に

2021年2月14日のことです。

「今月中に不必要になった機材を処分して、来月、Rupert Neve Designsの『5211 2Channel Mic Pre』を買おう!」と機材の入れ替えを計画しはじめた矢先、ルパート・ニーヴさんの訃報が飛び込んできました。極東の一市民がたった1台の機材を注文したところで、ニーヴ御大のお耳に届くことはないのでしょうが、それでもやはり、思いついた瞬間に(つまり、生きていらっしゃる間に)「エイヤ!」と購入できなかった自分の不甲斐なさがたいへん悔やまれます。

巷では、先日亡くなられた田村正和さん主演の『古畑任三郎 COMPLETE Blu-ray BOX』が売り切れ続出だったりしますが、こうした賛辞も、生前にこそ贈るべきなんですよね(……いや、そんなこと誰もがわかっちゃいるけどなかなか実践できないんだよ! という意見もごもっともではありますが……)。

そんなこんなで、翌15日に注文を完了した「5211 2Channel Mic Pre」は、海を渡って3月30日に我が家にやってきました。

伝説を継ぐもの

Rupert Neve Designs「5211 2Channel Mic Pre」は、1Uラック・サイズのマイク・プリアンプです。マイク・プリアンプとは、マイク(やライン)の入力音を増幅して出力するための機材で、ニーヴさんはその伝説的な設計技師。彼がデザインした機材たちは、世界中の音楽家に愛されています。

「音量を上げるだけの機材を、どうして世界中が崇め奉るの!?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、彼の機材でドライブさせる(音量を上げる)と、まるで魔法をかけたかのように、中低域は失速することなく厚みを増し、高域は絹の如くしなやかになっていくのです。そのコントラストが実に音楽的で、「このマイク(シンセ/ギター/etc.)って、こんなにイイ音を出せたんだ……」と何百回でも感動できるほどです。これは「5211 2Channel Mic Pre」とて例外でなく、音質UPの影響度を考えると、電源やオーディオ・ケーブルを新調するよりよっぽど目に見える(耳に聴こえる?)効果を発揮してくれます。

麗しのSILK回路

“通して、音量を上げる”だけで素敵な音になる「5211 2Channel Mic Pre」ですが、最大の魅力は「SILK回路」と呼ばれる可変式サチュレーターにあるのかもしれません。各チャンネルの右端に配された[SILK]ボタンを押下すると、LEDが赤色に点灯、SILK回路が作動します。その状態で、[TEXTURE]ツマミを右に回していくと、入力音に対して、天井を突き抜けるような美しい倍音を付加することができるのです。

倍音付加を謳うマイク・プリアンプの中には、ただひたすらジャリジャリしたり、ピキピキしたりするだけの粗悪品も少なからず存在しますが、「5211 2Channel Mic Pre」の場合、そういった不快な要素はゼロ。曲調次第では、片っ端から[TEXTURE]ツマミをフルテンで録ってもまったく問題ないくらいの美しさでした!

一転、ゴリゴリもOK

本機は、一般的なライン・アウトだけでなく、-6dBライン・アウトも備えています。出力が抑えられているぶんさらにドライブをかけられるため、素直でシルキーなサウンドから一転、トランスをヒィヒィ言わせるゴリゴリのサウンドを作ることも可能です(そんなブラック企業的な扱いをしても、明確な歪みが生じないのは本当にスゴい!)。また、[CHANNEL 1]の[LINE OUT]を[CHANNEL 2]の[MIC IN]に直結して2倍の効果を得る、という荒業も存在するようで、ビンテージNEVEの焼き直しだと思って接すると泡を食うくらい、桁違いに幅広いサウンドを生み出せる現代的なプロダクトに仕上がっています。

ちなみに、純アナログ機材ということでDAWとのマッチングやリコール性能が気になるところですが、どうぞご安心ください。ツマミ類は、カチカチとクリック感を伴って回転する仕様(メインの[GAIN]ツマミは11ステップ/12段階、その他のツマミは30ステップ/31段階)なので、ちょっとしたメモを残しておくだけで簡単に設定を再現できますぞ。

一家に一台、NEVE

以上、Rupert Neve Designs「5211 2Channel Mic Pre」のご紹介でした。

ビンテージNEVEのアナログ卓を自宅に置くことはそうそうできませんが、本機ならば、その夢の一端を確実に叶えられます! 一家に一台、NEVE!

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