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「デザエモン、音色エディットできるってよ」と中学生の私に教えてあげたい

私の1stシーケンサーは、『マリオペイント』です。本記事で採りあげた『描いて・作って・遊べる デザエモン』は、2ndシーケンサーでした。ということは、3rdシーケンサーは『音楽ツクール かなでーる』なのかな? と思いきや、CASIOのDTMパッケージ「日曜音楽」に付属していた「MUTONE(ミュートン)」だったりします(ちなみに『音楽ツクール かなでーる』は4th)。素敵な出逢いに乾杯!

『デザエモン』とは

1994年9月30日に発売されたスーパーファミコン用ソフトウェア、Athena『描いて・作って・遊べる デザエモン』は、縦スクロールのシューティング・ゲームを制作できるコンストラクション系ゲームです。

ユーザーは3つのツール、すなわち、ドット絵を描くための“グラフィック”、グラフィックで描いたドット絵をキャラクターや背景のまとまりごとにアサインしていく“くみたて”、そして、音楽を作るための“ミュージック”を駆使し、ゲームをデザインしていきます。無論、この手のコンストラクション系ゲームでお約束の“途中脱落者”も続出しましたが、しっかり作り込めば、お世辞抜きで市販レベルの縦シューを作ることができる、非常に優秀なソフトウェアです。

22年越しの裏ワザ

そんな『描いて・作って・遊べる デザエモン』ですが、2016年に、発売からおよそ22年越しでとんでもない裏ワザが発見されたのです!

ゲーム起動後にリセット、ノイズありのAthenaロゴを表示させたら、B→A→X→Y→L→Rと素早くボタンを押下します。すると、SEが鳴り、内部でシークレット・フラグが立ちます。

このフラグを立てた状態で、“デザエモン”ロゴにカーソルを乗せ、A+Bを押下(または右クリック+左クリック)すると、[SPECIAL MENU]に遷移します。

[SPECIAL MENU]では、開発者からのメッセージの閲覧、コントローラー・ポートを使用したセーブ・データの送受信が可能です(……ファミコン時代に仕込まれていた数々の隠しメッセージと言えば、どれも品の無い悪口/罵詈雑言の嵐ばかりが思い起こされますが、本作のそれは、とてもジェントルで温かいメッセージばかり。ファンならば一見の価値あり! でございますぞ)。

ミュージックにも恩恵が!

さて、シークレット・フラグの隠し機能は[SPECIAL MENU]だけにとどまりません。フラグを立てた状態で“ミュージック”に遷移、一番左上にカーソルを持っていき、A+X+Yを押しながらBを押下すると、なにやら見慣れない文字列が表示され、音色エディット、つまりシンセサイジングが可能になります!

エディットできるパラメータは上から順番に、

  • 数字:音色番号の指定(黒いピアノが[0])
  • WAVE:鳴らす波形(波形が格納されていない番号も多数あり)
  • OCT:オクターブ
  • L VOL:左ボリューム(左右合わせてPANの機能にもなる)
  • R:右ボリューム
  • D VIB:ビブラート・デプス(Depth)
  • R:ビブラート・レート(Rate)
  • I:ビブラート・インテンシティ(Intensity)
  • D PEG:ピッチ・エンベロープ・ジェネレーター・デプス(Depth)
  • R:ピッチ・エンベロープ・ジェネレーター・レート(Rate)
  • LOEND:最低音の定義
  • HIEND:最高音の定義
  • A ENV:(アンプ・)エンベロープのアタック
  • D:(アンプ・)エンベロープのディケイ
  • S:(アンプ・)エンベロープのサステイン
  • R:(アンプ・)エンベロープのリリース

数字は、カーソルを合わせて(少々見にくいですが……)、Bで増加、Aで減少します。すべて16進数表記なので、09の次は0A、最大値はFFとなります。

この裏ワザを使えば、中学生のTAK少年にとってどうしても甘受できないポイントだった、“選択できる音色にバス・ドラムとハイハット/シンバルがないせいで、至極ベーシックなドラム・パターンさえも打ち込めない問題”を解決できてしまうんですよね! 感動のあまり目から汗がッ!

久しぶりにガッツリ向き合いました


最後になりましたが、私の音楽人生における絶対的ターニング・ポイントのひとつと断言できる『描いて・作って・遊べる デザエモン』の“ミュージック”を使いまして、エヴァンゲリオンの名曲『Decisive Battle/EM20』を奏でてみました! シーケンサー/音源としての大きなポテンシャルを堪能していただければ幸いでございます。

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